
皆さんは、どんな場面で緊張するでしょうか。
そして、緊張した時、どうしていますか。
実は私にとっても、
『緊張』問題は長年の解決したいテーマの一つでもあります。
緊張は、誰にでも起こる自然な心身の反応ですよね。
たとえば、
人と関わる場面、
何かを求められる場面、
プレゼンなどで人から見られる場面、
試験など、失敗できないとプレッシャーを感じる場面。
そんな中で不安やストレスを感じたとき、
私たちの脳はその状況に対応しようとして、
心と身体をフル稼働させます。
これが、私たちが感じる緊張なのだと思います。
でも、その緊張が強くなりすぎると、
心身の不調をきたしたり、
人との関わりにも影響が出たりすることがあります。
眠れない、肩がこる、手が震える、喉が渇く、頭や胃が痛くなる。
人の視線が気になる、相手にどう思われているかが怖くなる。
そして、本来の自分の力を発揮できず、空回りしてしまうこともあります。
私にとって緊張は、まさに長年のお付き合いでした。
◆ 緊張とは長年のお付き合い

私は、子どもの参観日の後にある懇談会で、
自己紹介をするのが本当に苦手でした。
自分の番が回ってくるその直前まで、
「あれを言おうか、これを言おうか」と頭がグルグルし始めます。
このころには、緊張も最高潮に達しています。
自分の番になるやいなや、
頭が真っ白になり、身も心も固まってしまうのです。
うまく立ち回れなかった自分に対して、
「こんな簡単なこともできない自分は恥ずかしい」
と自分を責めるのです。
こうしたことは、一度や二度ではありませんでした。
人前で上手く話すことができない自分をダメだと感じているので、
そういう場面をできるだけ避けながら生きていくことになります。
そして最終的には、
人と関わることそのものが怖くなっていくのです。
私の対人恐怖は、こうした経験を重ねる中で強化されていったように思います。
◆ 緊張は、防衛反応のひとつかもしれない

緊張すると苦しいものですよね。
だから、
「緊張しない自分になりたい」
と思ってみたり、
「緊張し過ぎる自分はおかしいのではないか」
と、自分のことを疑いたくなることさえあるかもしれません。
私がそうでした。
ひとたび緊張状態になると、
意識は「失敗しないこと」に集中し、目を離すことができない。
私にはそんな感覚があります。
深く、深く水中に潜り込み、
気づくと、息をすることさえ忘れている。
息苦しさに気づき、慌てて息を吸うために水面に浮かび上がる。
そんなイメージです。
それほどまでに、失敗することや間違えることが怖いのだと思うのです。
失敗して怒られないように。
傷つかないように。
バカにされないように。
相手の役に立てるように。
見放されないように。
そうやって、つい自分を緊張させて
頑張ることをやめられなくなってしまうのかもしれません。
だとしたら、
この緊張状態は、
自分を守るための防衛反応のひとつ、
と捉えることができるのではないでしょうか。
自分を守るために緊張しているのだとしたら、
その緊張には、ちゃんと理由があるのかもしれません。
◆ 何から自分を守ろうとしているのでしょうか

私は子どもの頃、親との関わりの中で
自分の行動をいつの間にかこんな風に切り分けていました。
「これはやってもOK」
「これをやってはいけない」
親が喜び、受け入れてもらえることはOK。
親に否定されたり、拒絶されたりすることはNG。
私の場合、
親から拒絶されることは、
家族の中で自分が孤立することを意味していました。
だから、
親を喜ばせることが、自分の良い行動のすべてになっていたように思います。
自分がこの家の中で安心して生きていくために
親の顔色をうかがいながら、自分の行動を決める。
そうやって、自分を守ってきたのです。
みなさんは、どうでしょうか。
親にとって、都合のよい良い子であれば受け入れてもらえたけれど、
ありのままの自分は受け入れてもらえなかった。
たとえば、
泣くこと、怒ること、自分の気持ちを表すことを否定されたり、
あしらわれたり、怒られたりした経験があると、
「自分の感情を出してはいけない」
「自分のままでは受け入れてもらえない」
「相手に合わせなければいけない」
という思いにつながることがあります。
すると大人になってからも、
自分の内側より、相手の反応を優先しやすくなります。
常に自分の内側を後回しにして、
相手の顔色や反応をうかがう。
その状態が続けば、緊張が強くなっていくのも無理はありません。
だとしたら、
この緊張は、私たちを苦しめるだけのものではなく、
かつて自分を守るために必要だったものなのかもしれません。
◆ 緊張をなくすのではなく、まず気づく

この緊張は、
私たちの中からなくすことはできないということ。
まず、このことに気づくことが何より大切なのかもしれません。
だとしたら、
この緊張とどうやって今後付き合っていったらいいのでしょうか。
まずは、
「今、私は緊張しているな」
と気づくことかなと思います。
そして、
「何が起こりそうだと思っているんだろう」
と、自分自身に問いかけてみる。
すると、
「失敗したら、軽蔑されて見放されると思っているのかな」
「求められた答えを言えない自分は、ダメだと思っているのかな」
「自分を差し出さないと、この関係が崩れると思っているのかな」
「本当にここまで緊張する必要がある場面なのかな」
と、少し離れたところから自分の状態を眺めてみるのです。
緊張の渦中にいるときは、
一度の失敗が、まるで自分のすべてを否定するもののように感じられることがあります。
でも、
失敗は、あなたの一部ではあっても、あなたのすべてではありません。
失敗したからといって、
あなた自身の価値まで失われるわけではないのです。
◆ 最後に......
緊張は、かつて幼い自分を守るために必要だった反応の名残なのかもしれません。
そう理解できたとき、
緊張する自分をなんとかしようとするよりも、
「今まで私のことを守ってくれて、ありがとう」
と声をかけてあげること。
それが、何よりも大切なのだと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。












